サーバーとドメインの話
SERVER and DOMAIN
土地の権利書って、とても大事で要厳重保管ですよね(私は持ってないですが……)。
では、サーバーとドメインの管理情報はきちんと把握されていますか?
ホームページを保有する場合には、サーバーと(一般には)ドメインという、インターネット上の土地が必要になります。そしてその権利書にあたるものが管理情報です。
この権利書の所在や内容をご自身で把握していないと、後々大きなトラブルに発展する場合もありますので、ご不明な場合は必ず制作会社にご確認ください。
サーバーとドメインとは
ホームページを「家」に例えると、サーバーは「土地」、ドメインは「表札」にあたります。
サーバー(=土地)選びも状況によっては考慮が必要ですが、中小企業様の会社ホームページであれば、大手サーバー会社が整地した土地の一部をレンタルする、レンタルサーバーを契約することが一般的な選択かと思います。
御社の名義で取得する
土地と表札にあたるサーバーとドメインは、非常に重要なものです。そのため、弊社では(ショップ開設は別として)原則的に御社自身の名義と資金で取得することを推奨しています。
弊社での対応
制作したホームページ納品完了後に、下記のようなサーバー情報等、サイトの管理に必要な情報をまとめた書面をお渡ししています。
この情報があれば、他の制作会社へ更新・修正・改修等移管することも可能です。逆に紛失してしまうと、弊社も他の制作会社も「お手上げ」ですので、絶対になくさないように「土地の権利書」同様の扱いで保管してください。
サーバーの話
サーバーは、ホームページだけでなくメールや業務システムにも関わるものですが、ここではホームページ制作(特に中小企業様の会社ホームページ)をメインに想定して説明していきます。
サーバーはインターネット上の土地です。この土地にホームページのデータを置くことで、一般の人へ「公開」することができるようになります。
WP等CMSを導入する場合は「造営する」イメージに近くになりますが、そのあたりはまた別稿で……。
サーバーの選定
会社ホームページであれば、「レンタルサーバー」を借りる方法がコストパフォーマンス的に最善かと思います。
レンタルサーバーは、サーバー会社(ホスティング会社)とよばれる専門業者が整地・管理し、区画で賃貸しているものです。そのため、賃料として月額利用料を払う形になります。
費用のほか、下記を特に確認し、仕様に応じてサーバー会社やプランを選択します。
- 容量/転送量
- 無料独自SSLの有無
- データベース等の使用の可否(WP導入のとき)
弊社ではさくらインターネットまたはエックスサーバーが推奨サーバー会社となります。
FTP情報
FTP情報と呼ばれる情報が、サーバー=土地にホームページを作るために必要な「合鍵」になります。
名称は若干差異がありますが、下記の3点セットが一般的です。
- FTPサーバー(ホスト名)
- FTPアカウント(ユーザー名)
- パスワード(サーバーパスワード)
サーバーはホームページにおける土地です。そして土地によって建築条件がある場合があるので、なにはなくともFTP情報の共有とサーバー内容の確認が、サイトリニューアル時には最優先事項になります。
サーバー落ち
ホームページにアクセスが集中する(負荷がかかる)と、いわゆる「サーバー落ち」という、ホームページが閲覧できなくなる状態になる場合があります。
要は人などが短期間に殺到することで地面が割れるイメージです。
そのため、下記のような大量の閲覧が見込まれるコンテンツの場合は、レンタルサーバーでは厳しい場合もありますので、あらかじめ想定があることをお伝えください。
- 有名人の/有名人を起用したコンテンツ
- 人気イベント等のチケット申込み
- 人気作家等の執筆するオウンドメディア
- 人気商品のオンラインショップ
- とにかく人が殺到しそうなコンテンツは要注意!
また、WordPressも性質上負荷のかかりやすいものになりますので、導入する場合は、サーバー会社やプランの選定が必要になります。
ドメイン
ドメインとは、土地に掲示する「表札」にあたり、弊社でいうとartebaleno.co.jpが、弊社保有の独自ドメインになります。
独自ドメインを取得するメリット
サーバー(土地)には、それぞれ割り当てられたドメイン(住所)はあります。が、「さくらレンタルサーバーのA番地103号室」のように、長かったり複雑だったり、自社の名前が入っていなかったりするので、「アルテバレーノ株式会社」という独自ドメイン=表札を作り、土地に掲示して使うことが一般的です。こうすることで「アルテバレーノ株式会社」だけで閲覧者やメールが到着できるようになるわけです。
また、別の土地に引っ越す場合も、引っ越し先に表札を掲示すれば「アルテバレーノ株式会社」だけで新住所に届くので、各所に引越しの通知を送る必要がありません。
ドメインは先着順
表札に書かれた名前だけで届く、ということは重複はできない性質があります。そのため、他の企業や人が先に利用している場合は、希望のドメインが取得できない場合があります。
悪質なドロップキャッチに注意
キャンペーン特設ページなど一時的に設置するページに新しくドメインを取得する企業様がいらっしゃいますが、解約時には悪質なドロップキャッチの可能性を考慮する必要があります。
世界盆栽大会の公式HP、アダルトサイトに変更される(埼玉新聞)
このような事態を避けるため、一時的なページの場合はサブドメインや下層ディレクトリを使うことを弊社では推奨しています。
リニューアル時のトラブル
サイトリニューアルで高確率でトラブルになるのが、サーバー・ドメイン情報が不明で……現在のサーバー契約の名義が別の企業・人にあることが後でわかる場合です。
正確には、既存サイトのデータの引継ぎができないので一所懸命書かれたブログ記事を含め、サイトが全消失するというトラブルに発展します。
制作会社からサーバー情報(FTP情報)を開示してもらえない場合は、データの引継ぎができない可能性が高いので、必ずその旨を後任の制作会社に伝えてください。
システムの仕様上の制限
WIXやJimdoなどのサイト作成サービスや、Amebaブログなどのブログサービス、STORESやBASE、shopifyなどのECショップ作成サービス、といった「誰でも簡単にサイトが作れる」サイトは、基本的にお引越しはできません。
なぜなら、そうした「誰でも簡単に」作れるサービスは、家具付きマンスリーマンションであり、事業者名義の土地・建物を、誰でもすぐに・快適に住めるように専用にカスタマイズしてあるからです。そのため、別の土地に住居だけを移設することはできません。
特にWIXやJimdoについてはそうした仕様制限があることに注意をした上で、使用するかどうかをご検討されることをおすすめしています。
契約上の制限
上記のような更新機能がない場合であっても、制作会社名義のサーバーを間借りしていたり、コンテンツの著作権が制作会社にあったりで、契約上、既存サイトのデータの持ち出しを許可していない場合があります。
これは制作会社の方針によるものなので、是非は議論できないのですが、制作費無料または安価で、月額費を払っている場合などに、そういった縛りがついているケースが多いです。
これはあくまでも前制作会社との契約内容によるものなので、後任の制作会社がどうこうできるものではなく、また外部からはそうした特約がついていることに気づくのは困難ですので、解約前にサーバー情報(FTP情報)の確認と、それができない場合は、解約後のデータの取扱いについて前制作会社から説明を受けてください。
また、このケースの場合、メールも使えなくなる可能性があるので、解約による影響をしっかりと確認し、後任の制作会社に共有してください。
勇み足で解約しないで!
新制作会社が決まると同時に、サービスや旧制作会社との月額契約を解除されるお客様がいらっしゃいますが、上記のような仕様や契約の場合解約=サイトの削除になるので、原則として新サイトが完成するまでは現行サイトに関わる契約は残しておいてください。
名義を必ず確認する
サーバーとドメインは、ホームページを作る上でとても重要なものです。せっかくこだわってマイホームを作ろうとした/作ったのに、土地の建築制限にひっかかってしまったり、土地の名義が別の人にあって建物を壊さないといけなくなったり……。
本物の家なら保護がありますが、ホームページの場合はサーバーの確認不足で、途中まで準備したものが無駄になったり、場合によっては消失し復元もできないというケースも発生します。
土地の権利書をないがしろにする人はいません。同じようにホームページについてもサーバーとドメインの情報はしっかりと管理しておいてください。
弊社の場合
新規制作の場合は、サーバー・ドメインの取得からサポートしますので、特に心配はご不要です。ご希望に応じて推奨環境は変わりますので、取得前にご相談ください。
サイトリニューアルの場合は、サーバー情報の確認・接続確認後に作業着手になりますので、あらかじめサーバー情報(FTP情報)のご準備をお願いいたします。
サーバー情報がわからない場合は、弊社で状況確認のサポートが可能な場合もございますので、状況を共有いただければと思います。
また、弊社の制作サイトについては、(特殊な仕様でなければ)保守管理やリニューアルを他社へご依頼いただいてもサイトはそのままご利用いただけますので、その点はご安心ください。